アーサー・C・クラークの予言・未来予測と的中率
的中とされる予言の多くは、内容があいまいだったり、出来事の後に結び付けられたりしたものです。判定の内訳(判定不能・後出しなどの件数)もあわせてご覧ください。
50%(参考値)
的中率(的中 ÷ 的中と外れの合計)
的中 2/外れ 2/一部的中 1/判定不能 0/未到来 0
どんな人物か
『2001年宇宙の旅』の原作者として知られる英国の作家・科学解説者です。1945年に、地球の自転と同じ周期で回る「静止軌道」に通信衛星を置く構想を論文で発表し、この軌道は「クラーク軌道」とも呼ばれています。
著書『未来のプロフィル』(1962年)やテレビ番組で、年代を示した未来予測を数多く残しました。
予言の一覧と判定
| 予言の内容(要約) | 予言した時期 | 発表 | 出典 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 静止軌道に中継局を3基置けば、全世界に電波を届けられる | 「おそらく半世紀先」(同じ年の投書) | 1945年 | Wireless World 誌の論文 (一次資料) | 1964年に静止衛星が東京オリンピックをアメリカへ中継した | 的中 |
| 人は通勤せず、世界のどこからでも仕事ができるようになる | 約50年後(2014年ごろ) | 1964年 | BBC の番組の映像 (一次資料) | 遠隔で働く技術はそろったが、都市が不要になるという点は実現していない | 一部的中 |
| 家庭の机に置けるコンピュータで、銀行の明細や予約などができる | 2001年 | 1974年 | オーストラリア放送協会のインタビュー映像 (一次資料) | 2001年までに家庭のパソコンとインターネットで実現した | 的中 |
| 他の惑星に着陸する | 1980年ごろ | 1962年 | 『未来のプロフィル』の年表(講演予告の記事で年を確認) (二次資料のみ) | 人は他の惑星に降り立っていない(無人探査機は1976年に火星に着陸) | 外れ |
| 他の惑星への植民が始まる | 2000年ごろ | 1962年 | 『未来のプロフィル』の年表(同上) (二次資料のみ) | 行われていない | 外れ |
判定の区分と印の意味は判定の基準をご覧ください。
検証してわかったこと
通信・情報の分野の予測は、予測どおりか、それより早く実現しました。一方で、人が他の惑星に降り立つ・住むといった宇宙開発の予測は、示した年代までに実現していません。
同じ人でも、技術の積み重ねで進む分野と、莫大な費用や政治の判断が必要な分野とで、的中の度合いが大きく違うことが分かります。
出典
- History of Information(Syncom 3)
- Fortune(2024年、1964年の BBC 番組)
- Open Culture(1974年のインタビュー)
- Interesting Engineering(クラークの予測の検証)
予言の文章は要約しており、原文の引用ではありません。